ディフェンスが好きなんだけど、
「自分の強み」まではいかないんだよなぁ
ディフェンスが好きな選手、好きです!
姿勢について見直すと、パフォーマンスが上がるかもしれませんよ。
アドバイスさせてください!
こんにちは!BMSL(@Basketball_MSL)です!
今回のテーマは「正しいディフェンスの姿勢」について。
NBAでも活躍したオーストラリア代表、デラベドバ選手のプレー動画から、その姿勢について分析しました。
粘り強く、相手の嫌がるディフェンスを目指す選手は必見。
この記事が皆様に新しい発見を提供できれば幸いです(^^)
- 本記事の筆者
ディフェンスの姿勢① ー腰の高さー
これまでいくつかの記事で、ディフェンスの姿勢といっても様々な姿勢があることはお伝えしてきました。
ディフェンス中は頻回な姿勢変換が求められ、ある一定の姿勢を保持する時間は長くても数秒です。
その姿勢変換は、相手との距離やボールとの位置関係(1・2・3線)によって、またディフェンスの役割によっても変化していると思われます。
例えば、1線のディフェンスでは、相手に抜かれないこと、簡単にシュートされないことを最優先とし、ドライブに備えて腰を落とします。
腰を落とすことで強いサイドステップの準備をし、片手で常にボールにプレッシャーをかけ続けます。
それに対し3線のディフェンスでは、周囲の状況確認(ボールの位置・相手の位置・仲間の状況)が最優先されるため、腰を落とすことなく重心を高くし、頭部や脊柱が動きやすい姿勢(立位〜軽い中腰)を維持します。
そうすることで周囲を見回し、1線が抜かれればフォロー、自分のマークが逆サイドに動けば視野に入れながらついていく、という役割をこなしているわけです。
つまり3線で腰が高いことはサボりではなく、それが役割をこなすために必要な姿勢であるという点が、1つのポイントとななります。
- ディフェンスで同じ姿勢をとり続けることはない
- 役割によって姿勢を変えることが必要
ディフェンスの姿勢② ーハンズアップー
ハンズアップについても少し分析しました。
実は、NBAの実際の試合において、ハンズアップという姿勢は多くありません。
この図を見てわかるように、NBAでも1〜3線どの選手もハンズアップをしていない光景というのは、多くあります。
なぜでしょうか?
それは、しても意味がない場面があるからです。
少し言いすぎな感じがしますが、つまり必要ない場面も多々あるということです。
両腕を上げたまま固定してしまうと、腕を使った方向転換や姿勢変換が不利になることがあります。
そのため、状況や役割に関係のなり「とりあえず、ずっとハンズアップ」はデメリットが多いです。
「ディフェンスは常にハンズアップをし続けなければならない」というのは嘘なのです。
腕は上手に使うと効率的な身体の使い方につながります。
そのため、必要のないところで両手を上げてしまうのはもったいないかなと思います。
ただし、必要な場面もあります。それは、“相手の選択肢がパスしかなくなった場合”です。
ボール出しの場面などではNBAでも頑張ってハンズアップしていますよね。
必要な時に必要なだけするのがハンズアップと考えるべきでしょう。
- 「常にハンズアップが良いディフェンス」は嘘
- ハンズアップは必要なときに
ディフェンスの姿勢③ ー体幹の角度ー
ディフェンスの本質は1線のディフェンス、つまりボールマンとの1対1にあると思われます。
相手に抜かれないように、またはシュートを打たれないように微妙な距離を保ち、ボールに対してプレッシャーを掛け続けることが、まさにディフェンスの本質でしょう。
そこで求められる体の動きは、瞬時に強いサイドステップを踏めることではないでしょうか。
サイドステップというのは股関節の外転という運動です。
この外転という動きに主に関与する筋肉は中殿筋というのですが、
できれば他の多くの筋肉でも外転運動ができたほうが、より強いパワーを生むことができます。
そこで重要なのが大殿筋というお尻の筋肉です。
実は、あまり知られていませんが、この大殿筋を外転運動に参加させることができる姿勢があります。
それがまさにこのデラベドバ選手の姿勢です。
ポイントは、体幹が前傾し、股関節が90度程度曲がっていることです。
この角度では、外転運動に中殿筋と大殿筋が参加できるため、非常に効率的に強く・速いサイドステップが可能となるのです。
古くから言われている、体幹を垂直に立ててサイドステップをするというのは、実は動きを遅くしている可能性があります。
写真のようなワンアーム程度の距離であれば、ある程度体幹を前傾させ、より強いサイドステップに備えるのが理想的だと考えられます。
- 体幹は垂直ではなく、前傾させる
- 股関節を90°程度屈曲させる
ディフェンスの姿勢④ ーフットワークー
強く速いサイドステップを踏むための姿勢がわかったと思いますが、もう一つ重要なポイントがあります。
それはフットワークです。
例え姿勢が完璧だったとしても、その都度、相手に対する足の位置・向きが良くなければ、相手を止めることはできません。
つまり、刻々と変化する相手の身体の向き・姿勢に合わせ、こちらも足の位置や向きを変えていかなければならないということです。
相手の姿勢からドライブの方向を予測し、自分の足も適切な位置に置き続ける必要があるのです。
デラベドバ選手は、カリー選手の一挙手一投足に反応し、足の位置・向き、身体の向きを細かく変えていました。
これを怠れば、どんなに素晴らしい姿勢でも相手を止めることはできないでしょう。
ビタッと構えるのではなく、チョコチョコと動きながらサイドステップの準備をし続けましょう。
つまり仙道の「ビタッ!」はいまいちなのかもしれませんね…。
仙道彰!
スキがねぇってやつか!
- 相手の動きに合わせ、足の位置や向きを細かく調整する
障害予防的な見解
BMSLは、非効率的なディフェンス練習によって膝を痛める育成年代の選手が多いことを危惧しています。
特に痛みは膝の前面に生じることが多く、これは大腿四頭筋の使いすぎによるものが非常に多いです。
オスグットシュラッター病の原因も大腿四頭筋の使いすぎによるものです。
この大腿四頭筋の使いすぎは、姿勢によって簡単に誘発することができます。
この図も大変良く使う図ですが、Aの姿勢では30秒もキープすると大腿四頭筋(モモの前)がパンパンになります。
対してBの姿勢では大腿四頭筋のみが疲れるということはありません。
これは、Bの姿勢ではモモ裏の筋肉(ハムストリングス)も使うことができるので、
これにより負担が分散され、大腿四頭筋のみが疲れることがなくなるのです。
例えば、Aの姿勢でエンドからエンドまでサイドステップを行うような練習は、育成年代の膝痛の発症リスクを高めます。
それに加えてのハンズアップは、膝の負担を非常に高めることになります!
この姿勢がサイドステップにおいて効率的でないことも記述した通りです。
ディフェンス姿勢とオスグットシュラッター病の関係については、こちらの資料にも記載しておりますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
\ オスグッドの資料はこちら /
いかがだったでしょうか。
必要とされる動きや身体機能のイメージができましたでしょうか。
今後、今回の分析でわかったことから実際の練習にどう落とし込めばよいのか、という記事も書く予定です。
楽しみにしていて下さい(^^)
最後までお読みいただきありがとうございました。
バスラボでは、オリジナルのバスケ資料をnoteで販売しています。
資料タイトル一覧
- 機能解剖学に基づくシュートフォーム
- シュート探求:肘の挙がりと曲がり
- No!More!オスグッド・シュラッター病
- Physical Fitness Test for Basketball Players
「曖昧なシュート指導からの脱却」、「障害予防の啓発」、「バスケに特化したスポーツテストの普及」を目指し、資料を作成・販売しています。ぜひチェックしてみてください!
コメント