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バスケ育成年代指導者に知っていてほしい!スポーツ障害の概念

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こんにちは。

今回のテーマは「スポーツ障害について」です。

今一度この重要なテーマについて考えてみたいと思います。

育成年代の選手が発症するスポーツ障害の多くは予後が良好とされています。

つまり、いつかは痛くなくなって、気にせずプレーできるということです。

ただ、育成年代の選手にとっての「いつか」は大問題です。

たとえ1ヶ月でも、成人の我々の1ヶ月とは比べ物にならないほど重要な1ヶ月です。

今回は育成年代の指導者に知っていてほしいスポーツ障害の考え方について記事にしようと思います。

外傷と障害の違いや大まかな特徴は以前の記事をご覧ください。

こちらもチェック! スポーツ外傷?スポーツ障害?

目次

スポーツ障害の発生メカニズム

さて、スポーツ障害についてですが、この痛みを理解するためにはいくつかポイントがあります。

まずは、発生のメカニズムです。

スポーツ障害は大人から子どもまで同じ機序で発生します。

そのメカニズムを知ることで痛みへの理解を深めていきましょう。

原因は特定部位の使いすぎ

外傷の場合は、急激な強い力によって身体の組織が損傷することが原因となりますが、

障害の場合はこういった一撃があるわけではありません

そして、急激に強い痛みが生じるわけでもありません。

では痛みの原因は何かというと、練習などによって生じる特定部位の使いすぎです。

バスケではジャンプやステップに加え、低い重心を維持するなどの競技特異的動作から、特に膝への負担が集中しやすく、スポーツ障害は膝に多く発症します。

そしてその多くが、筋肉や腱に起因する使いすぎです。

なぜ使いすぎによって痛みが生じるのか考えてみましょう。

小さな損傷の積み重ね

人間の体はいくら丈夫にできているといっても、運動などによって負荷をかければ、必ず筋肉や腱は小さな損傷を起こします。

この小さな損傷のことを微細損傷といったりしますが、実はこれは人体の正常な現象です。

骨や筋肉、靭帯、骨などにも生じる現象で、組織をより強くするまたは古い組織を入れ替えるために必要な生理現象といえます。

例えば、筋トレによる筋力増強・筋肥大などは、こういった仕組みを利用して身体を強く作り変えていくことを目的としたものです。

なので、こうした運動によって起こる微細損傷自体は悪いものではないということです。

ただ、このような目的を達成するためには非常に重要なことがあります。

それが組織治癒の時間の確保です。

微細損傷と回復のバランス

トレーニングで思い通りに筋肉に微細損傷を起こしたとしても、その微細損傷が治らなければその筋肉は強い力を発揮することはできません。

つまり、微細損傷にも治癒の時間が必要であるということです。

普段の生活や、適度な運動程度で生じる微細損傷は、それが積み重なる前に治ってしまいます。

しかし、過度な部活筋トレによって、特定部位へ負荷が集中するような状態が高頻度で続くと、

微細損傷が治癒する前に次の微細損傷が発生するような状態に陥ります。

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つまり、微細損傷に対する治癒が追いつかない状態(組織治癒の時間の確保ができていない状態)になり、

微細損傷が積み重なることで、組織の損傷が広がっていきます。

こうして、始めは微細損傷だったのに、いつの間にか大きな組織の損傷になってしまうのです。

これがスポーツ障害のメカニズムです。

スポーツ障害に対する対策

このスポーツ障害の痛みは厄介なことに、重症化するまで放置されてしまうことがあります。

それは先ほと書いたように、外傷のように急激に歩けなくなると言ったことがないからです。

少しの痛みならば我慢して練習してしまいますよね。

それが積み重なっていくのが、スポーツ障害の基本的な病態で、重症化する原因でもあります。

ではどうすればよいのでしょうか。

いくつか理学療法士の視点で書いてみました。

痛みを訴えられる環境づくり

病院で働いていて驚くのは、痛みによって通院しているにも関わらず、チームの指導者にはそれを伝えていないという選手が実際にいることです。

つまりは、痛みを指導者に伝えることが選手にとって不利益になるような環境であるということだと思います。

これはスポーツ障害の重症化を誘発するとても危険な因子です。

少しの痛みでも、指導者に、または、保護者から指導者に伝えられる環境を作るべきかと思います。

少しの痛みでも把握しておくこと、重症化する前に対処することが、選手にもチームにも良いことは間違いありません。

専門家に聞く

選手の訴える痛みに対しては、一番は専門家に聞くことです。

トレーナーやメディカルスタッフがチームにいれば選手の状態を診せたほうが良いでしょう。

いなければ1回練習を休んででも病院に行かせるべきと思います。(できればリハビリのある病院がよい)

痛みを放置して重症化させてしまうのは非常にもったいないことです。

初期の痛みであれば、プレーしながら治すことも可能ですから、選手が訴える痛みに関しては専門家に対処方法を仰ぎましょう。

練習メニューを見直す

微細損傷は特定部位の使いすぎによって生じることがほとんどです。

なので、バスケで言うと、毎日膝に負担をかけるような練習をしていれば膝の痛みが発生するリスクが高まります。

であれば、膝に負担をかけた次の日は、フォーメーションやシューティングをメインにするなど、負担をかける部位を日々変えていくことが必要です。

そうすることで特定部位への組織回復の時間が確保され、スポーツ障害の発生リスクを下げることができるでしょう。

身体の使い方を見直す

特定部位の使いすぎには身体の使い方が関係していることが多いです。

特にバスケットにおけるオスグット・シュラッター病などはほとんどがそうです。

身体の使い方には関節の硬さや筋肉の弱さが関係しており、そういった部分の改善が必要になります。

ストレッチやエクササイズによって、練習の負荷に合った体つくり、特定部位に負担を集中させない体つくりをする必要があると思います。


いかがだったでしょうか。

育成年代の選手、指導者の方には今一度考えていただきたいテーマでした。

理想論かもしれませんが、痛みのないバスケを目指して損はありません。

気になる選手や、痛みに関して聞きたいことがあればお気軽にお問い合わせください。

なにかアドバイスできることがあると思います。

是非サポートさせて下さい(^^)

長文失礼いたしました。

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この記事を書いた人

BMSL管理人のアバター BMSL管理人 理学療法士

“痛みのないバスケ”を目指し活動している理学療法士です。
バスケ選手の身体の使い方を分析し、それに必要なケア・トレーニング方法などを日々考えています。
機能解剖学的視点から新たなシュート理論を構築中です。

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