こんにちは。
BMSL(@Basketball_MSL)です!
BMSLシュート理論のうち、「プッシュパスシュート」という概念を紹介いたします!
これは、子どもによくみられるシュートフォームに私が名前をつけたものです。
前回紹介した「脊柱の回旋」ととても深い関係性があり、それに伴う一連の動きがプッシュパスの動きに非常に類似しているため、こういった名前にしました。
実際の子どもたちのシュートシーンから、プッシュパスシュートとはどういったものなのかを見てみましょう!
脊柱の回旋を利用したシュート
プッシュパスシュートを理解する上で、まず知ってほしいことは脊柱の回旋という概念です。
先日、記事にした内容なので読んでいただければ幸いです。
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つまりこのシュートフォームは、脊柱の回旋を利用することでボールに水平方向の力を加え、ボールをより遠くに飛ばすことができるフォームです。
ただ、ボールはリングには届くもののループがかかりづらいがために成功率はなかなか上がりません。
さらに、回旋という力を利用している以上、ボールの横ずれがどうしても大きくなってしまいます。
ミニバス選手のシュートにループがかからない理由、横ずれが大きい理由はこういったフォームの特性によるものが大きいと感じています。
これはバスケットのシュートという課題においてはネガティブな影響を与えます。
とても重要なことですが、子どもたちがこういったフォームになるには理由があります。
それは育成年代特有の身体特性である筋力の不足です。
ボールをリングに届かせるための筋力が足りないために、身体をねじるという大きな動きを使って代償した結果です。
そのため、本人が悪いとか、下手といった問題ではありません。
むしろボールを遠くに飛ばすという課題においては上手に対応しているということもできます。
さらに、当たり前ですが「体をねじるな!」と口で言っても修正することはできません。
とくに高学年ではほぼ修正可能な印象があります。
さて、ではこの脊柱の回旋と「プッシュパスシュート」にはどういった関係があるのでしょうか。
「プッシュパス」身体の使い方
「プッシュパスシュート」の身体の使い方を見ていく前に、まず「プッシュパス」の身体の使い方から見てみましょう。
プッシュパスはご存知だと思いますが、方法が様々あるのでここでの定義をさせていただきます。
基本的にプッシュパスにはいくつか方法があります。
上半身の動き
プッシュパスはチェストパスとは異なり、片手でのパス技術です。
また、チェストパスが胸の正面から出すパスだとすると、プッシュパスは体の横から押し出すパスです。
下半身の動き
足の動きは2通りあります。
まずはオープンステップです。
オープンステップは、パスをする腕の側の足を踏み出す使い方です。
それに対し、クロスステップはパスをする腕とは反対の足を踏み出す使い方です。
どの動きも自然と試合で使っている動きだと思いますが、シュートに関係してくるのは、クロスステップのプッシュパスです。
クロスステップの場合、踏み出す足とボールを押し出す腕が対角の位置にあります。
さて、このクロスステップによるプッシュパスの身体の使い方が、シュートにどう使われているのでしょうか。
それほど力を伝えるには適した身体の使い方であるということですね。
「プッシュパスシュート」身体の使い方
プッシュパスシュートの身体の使い方について紹介していきますが、
ポイントは、先程紹介した「脊柱の回旋」と「プッシュパス」です。
特に、クロスステップによるプッシュパスの身体の使い方が非常に重要なポイントです。
実際のシュートの画像から見ていきます。
こちらがプッシュパスシュートでシュートをしている選手(右利き)です。
注目すべきは、服のシワです。ここから体の動きを予測していきます。
まず、セットからリリース直前までは、シワが左肩から右腰にかけて入っているので、
「胸が右向き・骨盤が左向き」のねじれを起こしていることがわかります。
その後、リリースの瞬間、このねじれは逆転し、「胸が左向き・骨盤が右向き」のねじれとなります。
このリリースの直後のシーンですが、先程のクロスステップによるプッシュパスと同じ姿勢をしていることに気が付きましたか?
並べてみるとわかると思いますが、左足前・右足後ろ、胸左向き・骨盤右向き(相対的に)となっています。
つまりプッシュパスシュートとは、クロスステップによるプッシュパスと同様の身体の使い方でシュートをしているフォームであるということができます。
これがプッシュパスシュートという概念です。
簡単に定義すると、
「脊柱の回旋を利用したフォームであり、ボールリリース直前と直後でねじれを逆転させてボールを放つシュートフォーム」といったところでしょうか。
「プッシュパスシュート」見分け方
ではどのようにして体育館で見分けていくのかというと、ポイントは利き手側の脚が後方に引ける現象です。
先程の画像比較でもそうですが、この利き手側の脚を後方に引くという現象が生じていれば、100%「プッシュパスシュート」、つまり脊柱の回旋を利用したシュートになります。
スマートフォンをお持ちであれば、選手の後方から撮影してみてください。
遠距離シュートが得意な小学生など要注意です。
先程も書きましたが、これはシュートという課題においてはネガティブな影響を与えるフォームです。
しかし、このフォームでシュートをしている子が悪いとか、下手であるといったものではありません。
このフォームは飛距離を優先させたフォームであるということで、間違っているわけではありません。
しかし、中学、高校とバスケを続けハイレベルな競技として取り組む可能性があるのであれば、早めに修正したほうが競技的には有利となるでしょう。
興味のある方はお気軽に お問い合わせ 下さい(^^)
いかがだったでしょうか。
プッシュパスシュートについて興味を持っていただけたでしょうか。
BMSLシュート理論はまだ駆け出したばかりですが、今後、日本のシュートを支える概念にしたいと本気で思っています。
多くの指導者や選手の方の目に触れ、様々な意見もいただきたいと思っています。
普及、研鑽にご協力いただければ幸いです!
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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