あ、アキレス腱が痛い…?!
大丈夫でしょうか…?
しっかりとしたマネジメントをおすすめします…
心の声が聞こえているだと…!?
こんにちは。BMSL(@Basketball_MSL)です!
アキレス腱周囲の痛み、あると思います。
断裂するのか?といった不安もあるのではないでしょうか。
今回のテーマは、アキレス腱の痛みのマネジメント方法です。
スポーツをしていて感じるアキレス腱の痛みは、Over Useによるものがほとんど。
つまりスポーツ障害と呼ばれるものになります。
これを無視しながらプレーできるのかというと、実際にはできます。
確かに、できるっちゃできるんだよな…
ただ、こうしたアキレス腱に何らかの問題を抱えながらプレーしている選手は、アキレス腱の断裂をしやすいという報告もあり、この痛みの取扱いは要注意です。
働く大人の選手であればなおさらですよね…。
今回はそんな、働く大人のアキレス腱マネジメントをお伝えできればと思います(^^)
- 本記事の筆者
アキレス腱痛の概要
まずは、なぜアキレス腱が痛くなるのか?という点について簡単に説明させてください。
アキレス腱痛の原因
基本的に、スポーツで感じるアキレス腱痛の原因は、腱へ繰り返しかかるストレスが原因とされます。
ここでのストレスとは、物理的な張力が主です。
この何度も繰り返される張力によってアキレス腱に痛みが生じるわけです。
外傷とは異なり、一撃で痛くならない、といった点もポイントになります。
全く気にならない時から、ほんの少しずつストレスが蓄積していくのです。
つまり、バスケによって痛くなるアキレス腱痛は、要はバスケのし過ぎということになります。
もう少し噛み砕くと、バスケによってアキレス腱に負担をかけ過ぎということですね。
ただ、この腱の痛みというのが複雑で、「安静」によって治るかと言うと、そうでもない場合があります。
えっ?
皆さんもバスケ後にアキレス腱に痛みを感じ、次のバスケまで安静にすることでその痛みが消失することはあると思います。
ただ、バスケをするとまた痛い…。
これ、一回治っていると思いますか?
つまり、一回完全に治癒して、またバスケによって痛めていると考えますか?
アキレス腱痛の複雑な病態を少しご紹介します。
痛みがいったん引いただけで、治っていないってこと?
実は複雑な病態
そもそも、腱の痛みにはいくつかの種類があります。
腱の痛みの種類
- 腱炎:損傷した腱に炎症が生じて痛む
- 腱鞘炎:腱を包む腱鞘が損傷し、炎症が生じて痛む
- 腱症:損傷した腱の再生が上手くいかず、異常な血管や神経が生じ、痛む
どの痛みも何らかの損傷が起点としてあることには違いはありませんが、3つ目の腱症だけ毛色が違います。
腱炎と腱鞘炎は損傷した組織の炎症による痛みなのですが、腱症は炎症が痛みの原因ではありません。
炎症が終わり、腱組織が治癒する過程で何らかの問題が生じ、もともとあるはずのない血管や神経が入り込んでしまうのです。
最近では、この腱症の痛みは、異常に発生した神経自体が原因ではないかとも言われ始めています。
そして、これは安静ではなかなかな治らないと考えられているのです。
この「腱症」という病態は、2020年あたりから言われるようになった印象があります。
つまり、まだあまりよくわかっていない、というのが実際のところかと思います。
再生の過程で異常発生した神経…だと?
アキレス腱の痛みをどう捉えるか
アキレス腱痛の概要をまとめると以下のとおりです。
- アキレス腱痛の原因は繰り返しの張力ストレス
- アキレス腱は張力ストレスによって微細な損傷が起こる
- 微細な損傷が積み重なることで、炎症を生じる
- 炎症が原因の痛みは「腱炎」と「腱鞘炎」
- 「腱症」の痛みは、異常発生した神経が原因とされている
腱症…
まず考えなければならないのは、あなたの感じている痛みが炎症によるものか、神経によるものか、ということです。
答えは出ませんが、炎症が原因であれば、安静によって痛みは良くなるでしょう。
逆に、炎症が原因でない場合、安静を保っても治癒はしません。
この場合は、腱に適切な張力(ストレス)をかけ正常な腱組織になることを促さなければならない、とされています。
そして注意が必要なのは、どちらか100%は無いということです。
おそらく、腱炎と腱鞘炎、腱症がごちゃごちゃになっている痛みが少なからずあるはずです。
あなたのアキレス腱にはこうした複雑な病態がある、ということをイメージしてほしいなと思います。
やるか、休むか
さて、一旦、腱炎、腱鞘炎、腱症といった難しい分類は置いといて、
非常に重要な問題に入っていきましょう!
つまり、
やるのか!?休むのか?!というところですね。
まず必要ことは、やる、やらないの、基準を設けることです。
どこを基準として休むことにするのか、を決めておくと休む決断もしやすいのではないかと思います。
その基準を、理学療法士としてアドバイスをさせてください(^^)
最終的な決断は皆様にお任せします…。
「痛み」を指標に判断する
実は、痛みは個人で感じ方が違うもので、明確な基準にするのが難しいです。
ただ、痛みを感じるタイミングなどを指標にすると、ある程度使える判断材料になると考えています。
例えば、
上図のように、痛みを感じるタイミングによってある程度の重症度を考えることができます。
あくまで一つの指標ですが、下に行くに従って、状態は良くないと考えてください。
それぞれのゾーンについて簡単に解説しますね。
グリーンゾーン
痛みを感じない、または運動後に少し違和感や痛みを感じる(翌日には全く気にならない)程度であれば、
そこまで心配することはないでしょう。
運動によってアキレス腱周囲の組織に過剰な負担がかかっていることは間違いないですが、大きな損傷もなく、回復が間に合っている状態であると言えます。
イエローゾーン
運動開始直後、または終盤に痛みや違和感を感じ、それが翌日以降も継続する状態の場合は黄色信号と思ってください。
グリーンの状態が悪化するとこういった状況になってきます。
運動後3日経過しても痛みや違和感が持続する、歩いていても妙な感じがする場合は、状態がレッドに近づいていると思ってください。
レッドゾーン
運動開始前から痛みや違和感があり、運動中も気になる、もちろん運動後も痛い、という場合はレッドゾーンです。
まず、「運動前からすでに痛い」は、結構マズイということを知ってください。
この状況を腱炎だとすると、負荷によって傷ついた部位が回復する前に、更に同様の負荷によって傷ついているということになります。図で見てみると、
こんな感じです。
イメージですが、非常に恐ろしい状況であると言えます。
ちなみにですが、
日常生活のレベル(歩行、階段)で痛い場合は、競技を控えるように伝えています。
頻度と強度を考える
すでにお気づきかと思いますが、この痛みの指標は運動の「頻度」と「強度」に強く依存します。
つまり、
- 頻度:月に1回
- 強度:汗ばむ程度、レクリエーション
では、アキレス腱にかかる負担は少ないであろうと予想することができます。
逆に、
- 頻度:週に4回
- 強度:ガチンコバスケットボール
であった場合は負担も大きくなります。
ここで考えてほしいのは、「頻度は少なく、強度も低いのにレッドゾーン」が一番マズイということです。
「週に4回、ガチンコバスケでレッドーゾーン」なのであれば、組織の状態としては最悪ではないという考え方もできます。
後者は、「頻度や強度を落とせば…」で痛みのマネジメントが可能ですが、前者は「一旦運動ストップ」が必要になるかもしれません。
この「痛み」と「頻度・強度」の指標を使って自分の状態を予測してみてください。
実際の組織の状態などは、MRIやエコーなど、専門的な検査をしないとわかりませんが、
こうした「痛みの出るタイミング」や「頻度と強度」といった指標によってある程度、状態の予測はできます。
今のあなたのアキレス腱はどういった状況にありますか?
グリーン寄りのイエローゾーン…かな。
翌日も少し痛みあるからな。
「痛み」との向き合い方
「痛みは体からのメッセージ」
こんなふうに痛みを考えたことありますか?
「痛み」は邪魔者に感じますが、生物が生きていく上でとても重要な役割を果たしています。
例えば、痛みを全く感じない体になったとしたら、どうでしょう。
痛みを感じないことで、どんな無理もできるようになるかもしれません。
ただ、壊れてしまっても気付くことができません。
今回でいえば、アキレス腱が切れて、動けなくなったところでやっと「あ、無理してたんだ」となりかねません。
時すでに遅し…
これは極論ですが、そう考えると、
「痛み」の無視がどれほど危険なことかわかると思います。
「痛くてもできる」
「やると痛くなるけど、休めば治まる」
なんとなく大丈夫な気がするかもしれませんが、「痛い」ということは体にとっては非常事態です。
当たり前にしてはいけません。
ぜひ、痛みのないバスケを目指してマネジメントしていきましょう!
「痛み」は体からの非常事態メッセージなんですね…!
それでは、今日からできることをお伝えします!
めんどくさくても、マッサージをしよう
はたして、マッサージがどんな効果をおよぼすのか…?
実は、この点に関しては現在も研究者の方たちが日々データを集め、様々な角度から検証しているところです。
「疲労回復に効果がある or ない」
「筋肉痛を軽減させる or させない」
「可動域の改善を認める or 認めない」
マッサージには様々な効果が報告されていますが、それを否定する報告も沢山あります。
ただ、我々のような準アスリート(こんな言葉ありませんが笑)にとってはそこまで細かいことは重要ではありません。
効くと信じて、良いとこ取り&実施してみる、で、良さそうなら継続、で良いのです。
やった後、
「気持ちいい」、「楽になった」気がする…
で大いに結構!
まぁ確かに…
それで食ってる人間じゃないしな…笑
実際に、病院でアキレス腱痛を訴えるの患者さんにマッサージをすると、その場で痛みが取れたり、動きやすくなったりということは非常によく経験します。
めんどくさくてもマッサージ、してみてください。
マッサージの部位
少し気をつけなければならないのはマッサージをする部位です。
アキレス腱の痛む部位は何かしらの損傷や炎症の可能性があるので、あまりゴリゴリと揉まないほうが良いです。
まず揉んだり伸ばしたりするのは、患部の上と下です。
この場合、ふくらはぎと足の裏、ですね。
自らの手でも、フォームローラーでも構いません。
マッサージの痛みは自分で我慢できる範囲にしておきましょう。
ふくらはぎのストレッチ、足のケアに関しては別記事がありますので、そちらもぜひご覧ください(^^)
めんどくさくても筋トレしよう
ここ、結構ミソですよ!
なにぃ!?
痛いのに筋トレ?!
と感じると思いますが、もちろん痛みに耐えながら筋トレをしろと言っているわけではありません。
アキレス腱痛の治療として、アキレス腱に負荷をかけるエクササイズには除痛の効果があることが実証されています。
いわゆるヒールレイズのような、かかとを持ち上げたり、降ろしたりするようなものです。
冒頭で述べた複雑な病態(腱症)になっていれば、なおさら、負荷をかけることが重要であるとされています。
筋トレでマネジメント
まず、エクササイズは痛みを我慢して行うものではありません。
痛みが出た場合、負荷が強すぎる可能性があるので負荷量の調整をしてください。
痛みや状態に応じて使える、筋トレの負荷調整の考え方をお伝えします。
一番負荷が弱いのは、画像左の座った状態でのヒールレイズです。
この場合、体重がかからない&座っているので安定している、ため安全安心なエクササイズになります。
反対に、負荷の強いエクササイズは画像右の片足ヒールレイズです。
エクササイズの姿勢によって負荷量を変えられるので、段階的なトレーニングができる、というイメージを持ってほしいなと思います。
もっと強度を上げるには、反動をつけたり、重りを持ったり、ジャンプしてみたりと、そのバリエーションは多いです。
負荷かけたいなら、バスケすればいいのでは?
それだと、どれくらいの負荷が腱にかかったかわからなくなってしまうんです。
痛くない範囲のバスケならアリだと思いますが、腱を治すためには個別に手入れが必要でしょう。
こうした筋トレで回数やセット数など具体的にどれくらい負荷をかけたのかを明確にしていきましょう。
痛みや違和感なく負荷のレベルを上げていくことができれば、それだけ状態も改善してきているということです。
これも自分の状態を推し量る一つの指標になるかもしれませんね。
めんどくさくても実践することで、あなたのアキレス腱のコンディションは上がっていくはずです。
アキレス腱に不安を抱えている選手は、こうしたエクササイズを自主トレに組み込むのもアリでしょう。
なるほど!
バスケは週一でも、エクササイズで毎日負荷をかけとけばよりコンディションは上がるのか!
そうですね。
腱も刺激に適応していくので、日頃からトレーニングをすることは良いことです。
まとめ
簡単にまとめます!
アキレス腱痛はスポーツ障害!
アキレス腱痛が運動によって生じる場合、微細損傷の積み重ねによるケガ(スポーツ障害)である可能性が高いです。
損傷と修復のバランスが崩れているため、このまま運動を続けるのは要注意です。
何かしらの変化が必要になるでしょう!
痛みの機序は複雑!
微細損傷の積み重ねによって炎症が生じ、それが痛みとなっているのであれば、安静で痛みは引くでしょう。
ただ、その炎症後の修復過程で問題生じ、腱症の病態である場合、安静で治癒することは難しいです。
それは、適切な負荷をかけ、正常な腱組織に修復させなければいけないからです。
「痛い⇨休めば治る」 ではないのでご注意を!
めんどくさくても向き合おう!
紹介したのはマッサージと筋トレです。
マッサージ
痛い部位を避け、ふくらはぎ、足の裏を中心にほぐしてあげましょう。
それだけでも腱にかかる張力を減らすことができ、痛みや違和感が緩和されるかもしれません。
ただ、これで満足しないこと。
筋トレ
病態が腱症になっている場合、適切な張力を腱にかけてあげることが重要です。
もしかすると、腱症という病態にならないように張力が必要になるかもしれません。
どちらにせよ、アキレス腱痛を安静だけで対処するのはもったいないでしょう。
ヒールレイズを応用しながら、必要な負荷をかけてあげてください。
おわりに
いかがだったでしょうか。
アキレス腱痛のマネジメントは我々のような大人の選手にはとても重要です。
痛いのが当たり前になっている選手も多くいるとは思いますが、それは良いことではありません。
自分の状態をしっかりとマネジメントしながら、楽しいバスケを続けましょう!
最後までお読み頂きありがとうございました。
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