こんにちは!BMSL(@Basketball_MSL)です!
今回のテーマは、「バスケットボールと前十字靭帯(ACL)損傷」です。
前十字靭帯(以下ACL)の損傷は、バスケ選手に限らず、選手生命に関わる重大なケガです。
このケガはバスケやハンドボール、サッカー、バレーなどにおいて非常に多く、野球や卓球、陸上競技などでは少ない傾向があります。
なんで?
このあと解説していきますよ!
このケガを防ぐためにも、ACL損傷とバスケットの関係についてお伝えしていきます。
- 本記事の筆者
ACL損傷 2つのパターン『接触型』と『非接触型』
まず、ACL損傷には大きく分けて「接触型」と「非接触型」の2つのパターンがあります。
- 『接触型』:競技中に他のプレイヤーと接触することで膝が衝撃を受け、ACLを損傷するもの。
- 『非接触型』:ジャンプ着地などに失敗することで受傷するもの。
相手選手とのコンタクトが多いスポーツ(サッカー、ラグビー、ハンドボールなど)では、接触型のACL損傷を起こすことが多く、
相手とのコンタクトが少ないスポーツ(バレー、テニスなど)の競技では、ジャンプの着地失敗などにより、非接触型のACL損傷を起こすことが多いです。
では、バスケではどちらのタイプが多いのでしょうか。
接触型かな?
実は、どちらも多いのです…。
そのため、様々な研究者や、バスケ協会でも、このACL損傷について問題視しています。
手術が必要な大ケガになるので、選手の離脱は長期になり、選手個人、チーム、どちらにも大きな問題となるからです。
ACL損傷には『接触型』と『非接触型』の2つのタイプがある
バスケットの競技特性とACL損傷
では、なぜバスケットにおいてACL損傷が多いのでしょうか。
うんうん!
なんで?
それは、バスケットの動作が、ACL損傷につながりやすいからです。
バスケットは、狭いコートを10人で動き回るので、ダッシュ、ストップ、ステップ、ターンが高い頻度で繰り返されます。
さらに、ゴールが頭上の高い位置にあることから、空中戦(ジャンプ)が必須、という競技的な特徴があります。
もちろん相手とのコンタクトも常時といって良いほど生じるため、競技としてACL損傷のリスクは非常に高いと考えられます。
なるほど…!
つまり、
リバウンドで着地失敗→非接触型損傷
ルーズボールで相手にのられた→接触型損傷
ドライブの際に膝をひねった→非接触型損傷
というように、バスケをしていればいつでも起こりうるケガであると言えます。
試合中でなくとも、練習中でも起こるケガです。
では、このACL損傷を防ぐ術は無いのでしょうか。
ACL損傷を防ぐ
ACL損傷を防ぐ方法は、現在も様々な観点から研究がされています。
とはいえ、その損傷メカニズムや損傷しやすい人の分析などはかなり進み、「ある程度の予防は可能」という結果がでています。
お!
たとえば、
「〇〇高校にて予防プログラムを実施した結果、していない高校に比べ△△%もACL損傷が減少した」というような研究結果がかなり多く出てきているのです。
なので、知っていれば、ACL損傷に対する対策はできるのです。
問題は、そのプログラムを指導者が理解し、実施させているかですが…これはまたの機会にしましょう。
ここでは、ACL損傷はかなり研究されているということ、予防プログラムに一定の結果が出ていること、を知っておいていただければと思います。
ACLの予防プログラムは、方法、結果ともに、ある程度確立されつつある
まとめ
さて、簡単にまとめますね!
①ACL損傷には『接触型』と『非接触型』がある
ACL損傷は2つのタイプがあります。
『接触型』の損傷は、相手とのコンタクトなどによる損傷で、避けるのは難しい面があります。
それに対し、『非接触型』は自分自身の動きの問題で損傷するものです。
予防プログラムなど、対策を取ることで減らせる損傷は、『非接触型』になります。
②ACL損傷はバスケットに多い
バスケットはその競技特性上、ACL損傷が起こりやすいとされています。
急加速−減速、ジャンプ−着地、方向転換、さらには相手選手とのコンタクトなど、他のスポーツにはないリスクが存在しています。
こうしたリスクの高い競技をする上で、体がその動きに対応できない(その動きを正しく制御できない)場合、損傷のリスクは更に高まると言えます。
特に、高校1年生の女子選手に多いです。
理由は、競技レベルの上昇に身体機能がついていかない、といった事があるのではないかと考えています。
心機一転、新しい環境で張り切ってしまうだろうしなぁ…。
そうですね。
そうした状況を指導者が上手くコントロールできればいいのでしょうが。
③ACL損傷予防プログラムは確立されつつある
ACL損傷を防ぐための予防プログラムは、多くの研究者によって確立されつつあります。
実施しているのと、いないのとでは、明確な違いが出るとデータで示されています。
今後もより効果的なプログラム作成のために研究は進むと思いますが、現段階でもやらない理由はないかなと思います。
BMSLでもいくつかエクササイズを紹介しているので、参考にしてみてください。
おわりに
ACL損傷とバスケットに深い関係があることがイメージできましたでしょうか。
バスケ…リスク高いなぁ…
その通り…。
特に、育成年代の指導に当たる場合、このACL損傷はできる限り避けたい事象です。
大切な競技時間、仲間との時間を短くしないためにも、周囲の大人ができることをしてあげたいですね。
長文失礼いたしました。
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