こんにちは!BMSL(@Basketball_MSL)です!
今回はバスケのシュートに大きく関係する、“指”の話をしようと思います。
この記事を書こうと思ったきっかけは、NBA選手のシュートタッチ集を分析する中で、指の使い方に共通点があるように感じたからです。
調べてみるとこれが結構面白く、理論的に説明がつきそうなものでした。
皆さんはシュートの際、指にはどのような意識を持っていますか?
いわゆるシュートタッチの部分ですが、おそらく言葉にはできないような感覚をもとに、
「今日は良い感じ!」
とか
「うーん、いまいちだな…」
といった日々の変化を感じているのではないでしょうか。
今回の記事では、リリースに関する1つの視点となるようなものを、皆さまに提供できればと思います。
- 本記事の筆者
手と指の解剖学
まずは簡単に、手と指の構造を見てみましょう。
手や指は関節が多く、そのために細かな動きができるようになっています。
自分の手を見ながら関節の位置をイメージしてみてください。
指の付け根の関節が水色で示した部分です。骨でみると「えっ?」となるかもしれませんね。
動きとしては、最も単純な屈曲と伸展を知っていただければ今回の記事では十分です(^^)
シュートと指
手と指の簡単な構造と動きがわかったところで、シュートとの関係について考えていきましょう。
最後の接触点
ご存知のように、シュートと指はとても重要な関係にあります。
その理由は、指が「ボールと身体との最後の接触点になる」からです。
シュートは全身運動であり足や膝、体幹、肩、肘など多くの関節の力を使った動作なのですが、
どんなに上手に力が伝わってきても最後の接触点である指が上手く機能しなければ全てが台無しになります。
指や手首だけでシュートを打つことはできませんが、それだけでシュートを台無しにすることになってしまうほど、その成功率への影響は大きいと言えます。
逆に、足や膝、体幹などは多少のずれがあったとしても、手首と指でなんとか修正することも可能だと言えます。
試合中の様々なシチュエーションのなかで、足の向きや体幹の向きが変わっても、シュートはできますよね。
それは、肘から先の手首、指で微妙な調整を行っているからです。
このあたりは実際にバスケをしている人なら感じる部分かと思います。
ボールとの最終接触点である指がシュートの成功率に与える影響は非常に大きいのです。
シュートは全身動作といえど、最終接触点である指の与える影響は大きい
何指でリリースするか
これは、かなり難しい問題です。
残念ですが、これに関しては「この指だ!」と提言することはできません…。
ただ、これまで多くの選手、指導者の方と話してきた中では、
人差し指、中指、薬指が重要であることは間違いなさそうです。
この3本のどれなのか、力の配分、ボールの転がる方向などは、現状、人それぞれとまでしか言えません。
つまり、このあたりのことに関しては現状答えがないので、自分のしっくりくる方法で良いと思います。
ちなみに私は人差し指と中指でリリースするようなイメージです。
ただ、実際に動画を撮ってみると、薬指が思ったより関与していそうでした。
こうしたズレも面白いですね。
※私は決して上手い人ではありません。笑
シュート分析するなら三脚は必須です。
「なめる」か、「かける」か
さて、この記事の本テーマです。
ボールリリースの際に指をどうするのか。
ボールがあれば、触りながら読んでいただければ幸いです。
まずは、この2つの使い方を画像で比較してみましょう。
黄色矢印が注目する点です。
「なめる」使い方では指がたわみ、伸展するのに対し、「かける」使い方ではボールに沿った滑らかな屈曲位のままリリースに向かいます。
それぞれ詳しく見ていきます。
「なめる」
ボールをなめる指の使い方というのは、先程の解剖学でいうと指が伸展する使い方です。
主にMCP関節そして、PIP関節、DIP関節がボールに沿った滑らかな屈曲位から伸展位に入ることです。
動画で見てみると、
完全にボールをなめたスナップをすると、「ツルンッ」といった感じのスナップになると思います。
ボールがどこにも引っかかることなく手を転がっていく感覚です。
このスナップはそれなりに回転がかかります。
ただ、力の伝達という意味では損です。つまりボールは飛ばすことに関しては不利です。
それは、関節の伸展によって力をロスしてしまっているから。
最後の接触点である指で関節がたわんでしまうので、伝わってきた力が死んでしまうのです。
「かける」
なめる指の使い方に対し、かける指の使い方は、関節を伸展させません。
つまり、ボールに沿った滑らかな屈曲位のまま、指の関節を固定してリリースします。
なので、ボールは手のひら全体を転がらず、すぐに指先に引っかかります。
動画で見てみるとこんな感じです。
より良いのはどちらか
では、バスケのシュートにおいて「なめる」と「かける」はどちらが良いのでしょうか。
もちろん正解があるわけではありませんが、個人的には「かける」方が有利な印象があります。
というのは、「かける」使い方のほうが指が伸展しない分、力の伝達効率が上がり、よりボールに力が伝わるようになると言えるからです。
試しに指を使ってボールを壁に押し付けてみてください。
指を伸展させる場合と、ボールに沿った屈曲位のまま押すのでは、間違いなく後者のほうが指で強く押せるはずです。
なめるリリースでは指や手首がたわんでしまいますよね
ということは、シュートの飛距離を出すにはかける方が有利な指の使い方ということになります。
では、回転はかからなくなるのか?ということに関してですが、
おそらくそういったことはありません。
というのは、野球の投球ではこういった指の使い方をするからです。
つまり指をなめるように使うのではなく、指先でしっかりとボールを捉えて回転をかけているということです。
ちなみに投球の場合は「なめる」指の使い方を続けていると、肘に負担がかかるとも言われています。
それだけこの使い方は力の伝達には非効率的であるということでしょう。
これは、バスケにおいても同じで、
ボールに力を伝えたいのであれば、指先は屈曲位のまま固定する。
つまり、「かける」使い方のほうが効率が良いといえそうです。
試してみてほしい「かける」使い方
読んでいただければわかるように、これはとても些細なことです。
ただ、特別な訓練も器具も時間も必要ありません。
まずは、画像で示したように指を伸展させないことです。
そうならないように、指はボールに沿った滑らかな屈曲位のまま固定しましょう。
しっかりと固定できたら、そのまま手首のスナップでボールに力を伝えます。
その際に、ボールを指でなめないこと。
なめてしまうと指が伸展していますので、力がロスします。
ボールに沿った滑らかな屈曲位のままボールに力を伝えることが重要です。
あとは何度も繰り返す!
自分の感覚と、ボールの行方をフィードバックしながらトライ&トライ!
上手くいけば、理論上は飛距離も回転も向上するはずです。
是非試してみてください(^^)!
まとめ
バスケのシュートに関わる“指”についてまとめてみました。
バスケにおいて、こうした指先の話はあまりされてこなかったのではないかと思います。
物理学と解剖学で分析していけば、効率の良い体の使い方はそれなりに分かります。
問題はそれを知っているか、ということです。
知っていれば試せますよね。
試して自分に合わなければ、やめれば良いだけのことです。
ただ、知らずに試すことができないのは、非常にもったいないことだと思います。
まずは、多くの選手や指導者の方に少しでも伝わることを願います(^^)
日本のシュートを良くしましょう!!
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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資料タイトル一覧
- 機能解剖学に基づくシュートフォーム
- シュート探求:肘の挙がりと曲がり
- No!More!オスグッド・シュラッター病
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