熱中症の予防、選手も一緒に取り組めるようなものはないですか?選手自身の意識も高めていきたいです。
熱中症は本当に危険なので、選手とともに取り組むのはとても大切ですね。
「おしっこ(尿)の色で脱水の状態を把握する」と良いかもしれません。
おしっこの色で脱水が把握できるとは…!
これなら選手も楽しく管理できるかも!?
こんにちは。BMSL(@Basketball_MSL)です!
連日の猛暑。この季節、特に大切なのは熱中症の予防です。
重症化すると命に関わるのが熱中症。この予防には指導者だけの努力では足りません。
指導者、保護者、選手。スポーツに関わる全ての人が一緒に取り組まなければ、悲惨な事故が起こりかねません。
とはいえ、なかなか難しいもの。
いま元気な選手に“予防”を意識付けるのは意外と難しいものですよね。
たとえ練習中、体に異常が出たとしても、育成年代の選手は自分の体の状態を正直に、的確に伝えることが難しい場合もあります。
また、指導者も多くの選手がいる中で一人の異変を即座に見つけるのは困難でしょう。
保護者も全員が毎回練習に付き合うこともないと思うので、やはり選手自身の自己管理は重要です。
そこで今回は、選手自身が簡単にできる熱中症予防「おしっこで脱水チェック」をご紹介します。
数時間おきに必ずする「おしっこ」をチェックすれば、自分の脱水状態がわかるんです。
✔本記事の筆者
脱水とは
まず、脱水とは「体の中の水分量が不足した状態」を指します。
暑い季節、人間の体は体温を下げるために汗をかくようにできています(発汗)。
特にスポーツとなると、筋肉の働きによって体温が上昇するので、冷やすためには大量の発汗が必要となります。
つまり、夏のスポーツ活動は体内の水分量が少なくなりやすい状況であるといえます。
汗の役割と、熱中症のメカニズムについてはこちら!
そのような状況下で水分補給が十分にできないと、発汗により体はすぐに脱水状態に陥ります。
脱水状態に陥ると、体を冷やすための汗が十分に出せなくなり、運動による体温上昇を抑制することができず体には様々な異常が生じてきます。
これが熱中症の正体です。
脱水=熱中症ではないのですが、両者には密接な関わりがあるという理解が大切です。
おしっこの色で脱水は把握できる
そもそも、尿の色で脱水を把握しよう!と大々的に提唱したのはIOC(International Olympic Committee)のようです。(なぜかもとの文章は見つかりませんでした…)
そこには尿の色を11段階に示したカラーチャートが示してあるそうです。
ただ、様々な人種、環境の違いなども含めて、やはり日本人にあったカラーチャートを作る必要性が生じ、国立スポーツ科学センターと神奈川県立保健福祉大学が共同で研究を行ったようです。
こちらがその研究によって作成されたアスリート向けの尿カラーチャートです。
この研究の本文は無料で読めるので、興味のある方はぜひ一度読んでみてください。
上のカラーチャートをクリックするとサイトに飛べます。
おしっこチェックで熱中症を予防しよう!
小さいお子さんでもわかりやすいように、前述の文献をもとに一部改変してまとめました。
ご自宅のトイレや使用する体育館のトイレ等に貼ることで、選手の意識も高まるかなと思います。
よろしければご活用ください。
まとめ
選手と一緒にできる熱中症予防への取り組みについて簡単にご紹介しました。
このような取り組みであれば、選手も理解しやすく、自己管理の習慣がつくのではないでしょうか。
これならチームで取り組めそうです。
アスリートにとってこの脱水の問題は夏だけでなく、1年通して管理しておきたいところです。
知らず知らずに生じる脱水でパフォーマンスや体調を落としている選手も中にはいるかと思います。
ぜひ、選手ひとりひとりには理解を促し、自己管理を徹底して予防に努めましょう。
少しでも参考になれば幸いです。
【参考文献】
・片岡 沙織, 脱水・熱中症予防のための尿を用いた指標の作成について, 神奈川県立保健福祉大学誌 第17巻第1号(2020年),49-58.
バスラボでは、オリジナルのバスケ資料をnoteで販売しています。
資料タイトル一覧
- 機能解剖学に基づくシュートフォーム
- シュート探求:肘の挙がりと曲がり
- No!More!オスグッド・シュラッター病
- Physical Fitness Test for Basketball Players
「曖昧なシュート指導からの脱却」、「障害予防の啓発」、「バスケに特化したスポーツテストの普及」を目指し、資料を作成・販売しています。ぜひチェックしてみてください!
コメント