PEACE&LOVE!!
急にどうした?!
PEACE&LOVEご存じですか?
え?平和と愛…知ってますけど…?
いえいえ、これケガした時のPEACE&LOVEなんです
ケガした時の?
ふぁ?!
こんにちは!BMSL(@Basketball_MSL)です!
ケガをしたとき、どのように対応すれば最も効果的に回復できるのでしょうか?
ケガの対応は古くから研究の対象となっており、様々な方法が提唱されてきました。
ここ最近、従来のICEやRICEといった方法に代わり、PEACE&LOVEという新しいアプローチが注目されています。
本記事では、この新しい方法について詳しく解説します。
- 本記事の筆者
ケガ対応の変遷
まずはケガ後の対応がどのように変化していったかをざっと確認してみましょう!
ご存じのRICEも出てきますよ
RICEはしってる!
ICE
年代: 1970年代
概要: 初期のケガ対応方法として、冷却、圧迫、挙上が推奨されました
- Ice(冷却)
- Compression(圧迫)
- Elevation(挙上)
RICE
年代: 1970年代後半
概要: ICEに安静(Rest)が加わり、より包括的なケガ対応方法として広まりました。
- Rest(安静)
- Ice(冷却)
- Compression(圧迫)
- Elevation(挙上)
これが一番有名でしょうか。
私も選手時代これは知っていました。
なんか教科書にも載ってた気がする
PRICE
年代: 1990年代
概要: RICEに保護(Protection)が追加され、ケガの初期対応における保護の重要性が強調されました。
- Protection(保護)
- Rest(安静)
- Ice(冷却)
- Compression(圧迫)
- Elevation(挙上)
意外と昔から提唱されていたのですね。
RICEが有名すぎてあまり浸透しなかったのかな
POLICE
年代: 2000年代
概要: PRICEに適切な負荷(Optimal Loading)が加わり、早期のリハビリテーションが推奨されるようになりました。
- Protection(保護)
- Optimal Loading(適切な負荷)
- Ice(冷却)
- Compression(圧迫)
- Elevation(挙上)
Optimal Loading(適切な負荷)…?
この辺りがケガ対応の転機な気がしています。
つまり、安静や保護ばかりしていてもダメとわかってきたのです。
適切な負荷をかけることで、組織治癒を早めたり、正常化させることを目指し始めたんですね。
PEACE & LOVE
キタァ!!
年代: 2010年代後半
概要: 最新のアプローチで、心理的要素や過剰な治療の回避が強調され、教育や楽観主義、血流促進、運動が含まれます 。
- Protection(保護)
- Elevation(挙上)
- Avoid anti-inflammatory drugs(抗炎症薬の回避)
- Compression(圧迫)
- Education(教育)
続いて、LOVEの部分です。
- Load(負荷)
- Optimism(楽観主義)
- Vascularization(血流促進)
- Exercise(運動)
あ、アイシングが消えた…だと?
そうなんです。
アイシングも賛否両論ありますが、最新のアプローチからはその名前が消えてしまいました。
個人的にもかなり衝撃でした。
アイシングにもメリットがありますが、使用には注意する点があります。
詳しくは別記事をご覧ください。
それではPEACE & LOVEについて詳しく見ていきましょう!
PEACEとは?
PEACEは、ケガの直後に行うべき対応を示しています。
保護(Protection)、挙上(Elevation)、抗炎症薬の回避(Avoid anti-inflammatories)、圧迫(Compression)、教育 (Education)の頭文字を取ったものです。
これにより、ケガの悪化を防ぎ、早期回復を促進します。
PEACEの詳細
- 保護:ケガ直後の1~3日間は動きを制限し、出血を最小限に抑えます。
- 挙上:患部を心臓より高く上げることで、体液の流れを促進します。
- 抗炎症薬回避:抗炎症薬の使用は避け、自然な炎症反応を促します。
- 圧迫:テーピングや包帯で圧力をかけ、腫れを抑えます。
- 教育:患者に対して積極的なリハビリの重要性を教育します。
これまでの対応とはガラッと変わった印象ですね。
抗炎症薬の回避って?
いわゆる痛み止めを使わないようにしよう、ということです。
薬によって炎症をおさえることが回復を阻害する可能性があることがわかり、「A」として組み込まれました。
薬の名前でいうとロキソニンやEVEもそれにあたります。
シップは?
少し調べると、
シップの種類にもよりますが、フェルビナクを含有しているフェイタスなどは抗炎症作用があるようです。
詳しくは薬局の薬剤師や専門サイトをご覧ください。
LOVEとは?
LOVEは、ケガの後期に行うべき対応を示しています。
負荷(Load)、楽観(Optimism)、血流(Vascularisation)、運動(Exercise)の頭文字を取ったものです。これにより、長期的な回復を目指します。
ほんとにアイシングがない…!
LOVEの詳細
- 負荷:痛みがない範囲で早期に運動を再開し、組織の修復を促します。
- 楽観:楽観的な考え方が回復を助けます。
- 血流:有酸素運動を行い、血流を増やします。
- 運動:適切な運動を行い、筋力や柔軟性を回復させます。
負荷、血流、運動は何となくよさそうだけど、、楽観?!
患者教育や楽観的な考え方という知識的な側面や精神面を取り入れたのがケガ対応としては新しい部分ですよね。
(初めて見た時は、ふざけてんのか?と思いましたよ…
いや冗談抜きで、それくらいの衝撃でした。)
まとめ
PEACE&LOVEは、ケガの初期から後期までを包括的にカバーする新しいアプローチです。
これにより、短期的な回復だけでなく、長期的な状態の改善も目指すことができるとされています。
2010年代から提唱されているとのことですが、まだあまり浸透していないのと、アイシングがないなど反対派?の専門家も多いような印象を受けます。
今後またデータなど集まることで変わっていく面もあるでしょう。
せっかくの最新アプローチですので、可能な範囲で知識を吸収し、利用してみてはいかがでしょうか。
今回参考にさせていただいた研究論文はこちらになります。
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資料タイトル一覧
- 機能解剖学に基づくシュートフォーム
- シュート探求:肘の挙がりと曲がり
- No!More!オスグッド・シュラッター病
- Physical Fitness Test for Basketball Players
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